昨年、ひょんなことからその存在を知った「ビブリオバトル」
いつか観戦してみたいな、と思っていたら堺で開催されるという。
これまでこういう催しってつい尻込みして行きそびれることが多い自分だったが、読書のことでもあり文芸部員として今回はぜひ行かねば、と曇天の阪神高速を走り、一路堺へ・・・
「ビブリオバトル」とは・・・
【基本ルール】
1.面白い本を読んで来て集まる
2.順番に一人5分で本を紹介する(質疑応答2-3分)
3.「どの本を一番読みたくなったか?」で投票を行い「チャンプ本」を選ぶ
これだけのルールで、これまでの書評会などとは違った、その本や紹介者の人柄などがみんなで分かり合えて楽しく時間を過ごすことが出来るのだ。
ビブリオバトルのHPにも書かれてあるのだが、
「人を通して本を知る。本を通して人を知る」
この言葉がこの催しのすべてを語っていると思う。
で、今回堺市中央図書館の玄関ロビーで行われたビブリオバトルだが、発表者は男性ばかり6名になった。
テーマは『新』だったが、テーマについてはかなりこじつけでもOKな感じだった。
ジャンルはバラバラで、小説はもちろん、体験記や日本近代史・ビジネス書や哲学書まで紹介された。
じゃんけんで発表順を決めてバトルスタート!
発表は皆うまくて、きっと相当練習してきたと思われるくらい滑らかに本の内容をうまく説明されていて、大変わかりやすかった。
ちょっと本に対する思い入れが強いかな、って思われる人もいたけれど、それはそれで本に対する愛情があるんだ、と思えば全然アリなんだと思う。
で、「チャンプ本」に選ばれたのは白髭のおそらく最高齢の方が紹介された『ラーメンと愛国』だった。
ラーメンを通して戦後日本社会を読み解いていく、というちょっと変わった切り口の本のようで、ラーメンにまつわる意外な事柄の理由が解き明かされているそうだ。
私もこの本を一番読みたい本に挙げた。
他の本もきっと面白いのだろうと思う。
でも、このビブリオバトルは紹介者の人柄も影響されてくるのだろうとも思った。
先にも述べたように、本の紹介はどなたもうまくてわかりやすいものだった。
ただ他の紹介者と違ったのは、『ラーメンと愛国』の紹介者は、説明口調ではなくて普段の会話のような口調で話されていたことだ。
なので、紹介者と観戦者のみなさんとがワリと打ち解けた雰囲気になり、より本のことも印象が良くなったのではないかと思う。
もちろん本の内容が観戦者の興味を引くものだったせいもあるが・・・
このビブリオバトルは「知的書評合戦」という日本名(?)が付けられている。
紹介者は自分の好きな世界に、あまりにマニアックになりすぎず、観戦者の票を獲得するためにみんながどんな本が読みたくなるか、ってことも考慮して本の選択をする必要もある。
また、観戦者もただボーっと紹介説明を聞いているだけでなく、その本の内容についてや紹介者がなぜその本を選んだか、等々疑問を紹介者にぶつけてみるものを考える、ってこともしなくてはいけない。
そこに、紹介者同士だけではなく、観戦者も一緒になってこのバトルに参加していける仕組みがあり、それがこのバトルの楽しめるところなのだと思う。
来月の2月19日に同じ会場で2回目のバトルがある。
テーマは『二人』なので今回よりちょっと本も限定されるかもしれない。
なんかいい本があれば、次は紹介者で出てみようかな?
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