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2011年2月27日日曜日

強運の持ち主 瀬尾まいこ

日常生活の中にあるほのぼのとした出来事が描かれていて暖かい気分で読み進むことができた。でも、読んでいくうちに各話のオチ()がわかってしまい、せっかくのいい気分が少し萎んでしまってちょっと残念だった。





ルイーズ吉田をはじめ、結構面白いキャラクターの人物が登場してきてルイーズ対他の登場人物とのやりとり、心の描写はいい感じで読み進むことが出来た。特にルイーズと彼氏(通彦)のプライベートでのやりとりは本筋よりも楽しめ、ちょっと肌をくすぐられるような感覚が感じられておもしろかった。
おもわずダイエーに行きたくなったくらいだし、作中登場するダイエーは自分の中では完全に家の近所にあるダイエーだった。

そんな人物描写がおもしろかっただけに、ストーリーラインがホントにおしい!

どうもはじめに“オチ”ありきで、なんとかその“オチ”の部分を避けて避けて話を進めようとしているように思えて小説の世界に没頭できなくなってしまう。それほどすごい“オチ”ってわけではないので、途中でバレバレになってもいいので登場人物たちをもっと自由にさせてあげても良かったのではないだろうか。

とはいえ、そんなことは作者も分かりきっていて、あえて“オチ”を避け続けることによってどんなすごい“オチ”が待っているのだろうか、と読者をミスリードし、他人には大したことない小さな悩みが実は当人にとってはとても大きなそして大事な問題であり、そのこと自体が大きな“オチ”なのだと言いたかったのかもしれないが・・・



個人的に変な深読みをしてしまい少し残念な読後感になったが、ルイーズ吉田というキャラクター、物事を割り切って考えられ、ほぼ前向きで、他人を排除したい割りに他人に干渉してしまうその性格は結構好きなので、また新しい相談者を迎えてお悩み解決して欲しいな、と思う。

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