原発テロが発生した。それを受け、著作の内容がテロに酷似しているとされた人気作家・当麻蔵人に身柄確保を目論む良化隊の影が迫る。
当麻を護るため、様々な策が講じられるが状況は悪化。郁たち図書隊は一発逆転の秘策を打つことに。しかし、その最中に堂上は重傷を負ってしまう。
動揺する郁。
そんな彼女に、堂上は任務の遂行を託すのだった―「お前はやれる」
表現の自由、そして恋の結末は・・・
「図書館戦争」シリーズの完結編である(番外編はあるようだが・・・)。
彼ら一人ひとりが行動を起こすとき、笠原郁ならこう、堂上篤ならこんなふうに・・・などと数多い主要登場人物の動きを読み手がそれを自然に思えるほどになるにはこの量は必要かつ不可欠なものだったのだ。
原発テロが起きて、その手口が酷似し手本としたのではないか、という疑いをかけられた人気作家の当麻蔵人。
メディア良化委員会はそれを根拠に当麻の身柄確保を目論む。
当麻を守るために図書隊の面々はいくつもの策を講じるものの状況は悪くなる一方。しかし笠原郁の何気ない一言をヒントに一発逆転の秘策を打つことになる。
しかしことは思い通りに進まず、作戦の最中に堂上は良化隊に銃撃され重傷を負ってしまう。
堂上とペアで当麻を護衛してきた郁は動揺するものの堂上に任務を託され遂行の決意をする。
この良化隊に追い詰められた究極の状況下で、いやそんなギリギリの状況だからこそ、笠原郁の気持ちは、そして言葉は素直に相手に向かっていったのだろう。この物語最大にして最高に盛り上がる場面は一瞬にしてやってきて一瞬にして過ぎ去っていく。
もうこの場面を迎えてしまったあとは、御堂筋のアメリカ領事館前での騒動も当麻の変装(これはちょっとおかしかったが・・・)もおまけのようなもの。モチロン図書館のそして表現の自由の行方も気になるが、結局は笠原・堂上のイライラするような遅々と進まない恋の行方がどうなるかっていうところではないのか???
やはりこれは有川浩的「めぞん一刻」なのかもしれん・・・
おそらく有川浩ファンにも高橋留美子ファンにも賛同は得られないのもしれないが、この2つの物語はとても似たものを持っていると思うし、それが故に私はこの物語を面白く読み進むことができたのではないかと思う。
愛すべき仲間がたくさん登場し、それらに囲まれ、時にはガミガミと文句を言い合い、時には多少の反目がありながらも協力して何かを成そうとしていく。そして主人公2人はお互いの距離を探り探りホンの少しずつ進んでいく。
この文章を「めぞん一刻」の五代と響子の説明だとしてもまったく違和感ないのとちがう?
まぁ舞台設定はかなり異なるし違うっちゃあ違うんやけどね・・・
最後は駆け足な感じで一気にそこまで行ってしまうの?って具合なのはちょっとどうなん?って思うけれど、まぁ甘々の結末でよかったね、ってちょっと祝福しつつ読了
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