大富豪の令嬢が所轄の刑事となり殺人事件に遭遇するも、そのお嬢様の運転手兼執事の名探偵並みの推理力で事件の真相を解明していく。
2011年4月に本屋大賞を受賞した作品で、謎解き以上にお嬢様と執事のやりとりがおもしろい(?)モノになっている。
第一話 殺人現場では靴をお脱ぎください
被害者はアパートの自室でブーツを履いたまま殺されていた女性。
なんで履いたまま???
第二話 殺しのワインはいかがでしょう
被害者は就寝前に飲んだワインで死亡。自殺か他殺か・・・
第三話 綺麗な薔薇には殺意がございます
被害者は老舗ホテルの名誉会長の自宅庭にある薔薇園の中で死んでいた女性。
なぜ薔薇の上に死体があったのか
第四話 花嫁は密室の中でございます
被害者は結婚式当日、自室で刺されて瀕死の重傷
第五話 二股にはお気をください
被害者はマンションの自室で全裸で撲殺されていた男性
なぜ裸なのか???
第六話 死者からの伝言をどうぞ
被害者は自宅の書斎で死んでいた金融業の女帝
消されたダイイングメッセージとはなに???
一話完結の六話の短編になっている。
これってどうなんだろう・・・
確かにどれもちょっと殺害現場で謎解きの要素はいっぱいあるのだが、とても「本格的」トリック小説というには程遠いものだ。
謎解きの、その謎もそれほどの「謎」でもない。
そう、この小説はそこそこの謎解きのネタをベースにお嬢様と執事のやり取りのおかしさを読ませたい話なのだろう、きっと。
でも、そのやり取りもなんかテンポが悪くてイマイチ笑えない。
まぁ文章なのだから実際の会話のようにはいかないにしても、書きようでいくらでもテンポを出せるのではないだろうか。
漫才に慣れ親しんだ大阪人の私にはちょっと乗れない掛け合いだった。
どうもミステリを読み慣れていない女性読者層に向けて書かれた、って話を聞いたことがあるが、だからといってこんなしょぼい謎解きでいいのだろうか。
本格的な謎解きをわかりやすくおもしろく書く方がどんな読者にも訴えられるのではないのか。
とはいえこの本が大ベストセラーなのだからなにか訴えるものがあったのだろう、きっと。
私にはなぜベストセラーになったのか、そして本屋大賞に選ばれたのか未だに謎である。
この謎はとけるのかな・・・
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