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2011年10月2日日曜日

巨人たちの星 ジェイムズ・P・ホーガン

『星を継ぐもの』、『ガニメデの優しい巨人』に次ぐシリーズ第3弾だ。

前作で地球を飛び立ったシャピアロン号

自分たちが地球人類に対して過去に行った行為に後ろめたさと後悔を感じ、仲間がいると思われる星へ確証もなく旅立つ。

しかし彼方のその星からはシャピアロン号を迎えるメッセージが・・・



その最初のメッセージが届きしばらくの間途絶えたのちに再度送られてきたメッセージは英語のメッセージだった。
それはこの地球がかなりの昔からどこからか監視されていたということになるのだ。

5万年前に月面で死んだチャーリーの謎とそのチャーリーを描いた1作目のプロローグの謎。月が地球の衛星になった謎など、これまで解明されていなかったものが今作ですべて明らかにされる。



初めは残された多くの謎についてこれまでと同じような展開で解明されていく。その時点ではまだ前2作同様にワクワク度アップだったのだが・・・

話が謀略と抗争の話になっていくにしたがってどんどんとこれまでの魅力が薄れていくようでちょっと残念だった。




思えばこのシリーズの魅力は、「純粋」というキーワードで語れるのではないだろうか。

目の前にある謎に対して懸命に解明しようとするハントやダンチェッカーは純粋に科学者としての使命を果たしているし、そしてなによりガニメアンは争いを知らない、相手を疑うことを知らない、純粋な人々なのだ。

その「純粋」が醸し出す雰囲気こそがこの物語の世界を作り上げているのだと思う。
ある程度シリーズ化すればしかたないことかもしれないが、そうした世界観の中に争いや陰謀を入れるのはやはりちょっと違うような気がするのだ。

まぁ最後に用意されているオチ(?)ですべての環はつながるのだけれど、そこに至る物語はちょっと安物のスペースオペラのようでちょっと残念だった。

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